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医療や介護に関わる国民生活の実態を示した統計データを調べたいんだけど…
診療報酬・介護報酬改定の方向性の裏付けとなる情報をもっと知りたいわ
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こんな人のための記事です。
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療法士として働く中で医療や介護などに関わる統計データが必要になることがあろうかと思います。
医療や介護に関する制度設計をする中心は厚生労働省です。
厚生労働省が取りまとめ発表する統計データに目を通すことは、医療・介護に関わる国民生活の実態をより深く理解するために有用なことでしょう。
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とは言え情報過多の時代、厚労省の統計データもどこに何があるのか理解するだけでも一苦労です。
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発表される統計データは山ほどあって知りたい情報に行き着くまでが大変です
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そんな訳でこの記事は、
● 医療・介護に関わる有用な厚生労働省の統計データ・5選とその概要
を、まとめました。
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人口動態調査
本調査によって日本の人口動態に関する事象を把握することが出来ます。
● 各年次の出生数と死亡数(平成30年版では昭和22年~平成30年までを掲載)
● 各年次の出生率と死亡率(平成30年版では昭和22年~平成30年までを掲載)
● その年の男女別の出生数と死亡数、出生率と死亡率
● その年の都道府県ごとの出生数と死亡数、出生率と死亡率
● その年の死因別の死亡数(どのような原因で何人の方が亡くなったか)
● その年の都道府県ごとの男女別人口
などが示されています。
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上の画像に示した平成30年(2018)人口動態統計(確定数)の概況のページにはこちらからアクセス出来ます。
例に取り上げたのは平成30年のものですが、平成7年から各年の人口動態統計を見ることができます。
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国民生活基礎調査
本調査によって厚生労働行政の企画・運営に必要な、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項の実態を把握することが出来ます。
● 日本の総世帯数と平均世帯人員の推移(令和元年版では昭和28年~令和元年まで)
● 65歳以上の者がいる世帯で、独居の世帯、夫婦のみの世帯、親と未婚の子どもの世帯、三世代世帯など各世帯がそれぞれ何割を占めているかの年次推移
● 児童のいる世帯の割合とその児童の人数
● 各種世帯(全世帯、児童のいる世帯、高齢者世帯、高齢者世帯以外の世帯)の世帯所得の年次推移
● 性・年齢階級別にみた病気やけが等の自覚症状のある者の割合
● 現在の要介護度別にみた介護が必要になった主な原因
● 要介護者等と主な介護者との続柄、主な介護者の性別、主な介護者の年齢階級の各構成割合
● 要介護度別にみた同居の主な介護者の1日に介護に費やす時間の状況
などが示されています。
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上に示した令和元年(2019)の国民生活基礎調査の概況のページはこちらからアクセス出来ます。
例に取り上げたのは令和元年(2019)のものですが、平成7年から各年の調査を見ることが出来ます。
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人生の最終段階における医療に関する意識調査
本調査によって、一般国民と医療従事者・介護従事者の人生の最終段階における医療に対する意識やその変化を把握することが出来ます。
● 身近な人の死を最近(過去5年間以内)経験した方の中でその人の死に対する心残りの有無や、どうすればその心残りをなくすことが出来たかの調査
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの人生の最終段階における医療に対する関心の有無
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの人生の最終段階における医療に関して、家族などや医療従事者・介護従事者と話し合った経験の有無やその相手
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの意思表示が出来なくなったときに備えて予め意思表示の書面を作成することに対する賛否
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれのアドバンスド・ケア・プランニング(ACP)の認知度
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの最期を迎える場所を考える上でどのようなことを重要だと思うか
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの最期を迎えたい場所
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの自宅以外で医療・療養を受けたり最期を迎えたいと考える理由
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの自宅で医療・療養を受けたり最期を迎えたいと考える理由
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの経口栄養が困難になったときに経鼻経管栄養を希望するか否かの調査
● 一般国民、医師、看護師、介護職員それぞれの経口栄養が困難になったときに胃ろうを希望するか否かの調査
などが示されています。
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上に示した人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書のページはこちらからアクセス出来ます。
平成19年度、平成24年度、平成29年度の各年度の調査報告書を見ることが出来ます。
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受療行動調査
本調査によって、全国の医療施設を利用した患者の受療状況やその受けた医療に対する患者の満足度などを把握することが出来ます。
● 各年齢階層別にみた普段医療機関に罹るときの情報の入手先(外来・入院別)
● 病院の種類別にみた外来の診察時間
● 病院の種類別にみた医師からの説明の有無やそれが十分だったか不十分だったかの調査(外来・入院別)
● 病院の種類別にみた病院に対する全体的な満足度(外来・入院別)
● 病院を受療した際の項目別の満足度(外来・入院別)
● 入院期間別の患者の満足度
などが示されています。
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上に示した平成29年(2017)受療行動調査(確定数)の概況のページはこちらからアクセス出来ます。
例に取り上げたのは平成29年(2017)のものですが、平成8年から3年ごとの調査を見ることが出来ます。
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高齢者介護実態調査
本調査によって、介護が必要な高齢者に対してどのようなサービスが提供されたかという実態を把握することが出来ます。
● 介護度別の各ケア項目(機能訓練、医療、行動上の問題、社会生活支援、排泄介助、食事介助、移動・移乗・体位変換介助、入浴・清潔保持・整容・更衣介助)に1日当たりに費やしている時間
● 介護度別の身体状況(運動麻痺の有無や部位、拘縮の有無や部位、基本動作が出来るか否か、ADLが出来るか否か、IADLが出来るか否か、行動上の問題があるか否か、医療処置が必要か否かなど)88項目
などが示されています。
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上に示した高齢者介護実態調査のページはこちらからアクセス出来ます。
結果を見れるのは平成19年のものだけです。
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まとめ
医療・介護に関わる有用な厚生労働省の統計データ・5選とその概要をまとめました
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● 人口動態調査は日本の人口動態に関する事象を把握することが出来る
● 国民生活基礎調査は厚生労働行政の企画・運営に必要な、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項の実態を把握することが出来る
● 人生の最終段階における医療に関する意識調査は一般国民と医療従事者・介護従事者の人生の最終段階における医療に対する意識やその変化を把握することが出来る
● 受療行動調査は全国の医療施設を利用した患者の受療状況やその受けた医療に対する患者の満足度などを把握することが出来る
● 高齢者介護実態調査は介護が必要な高齢者に対してどのようなサービスが提供されたかという実態を把握することが出来る
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今後も有用な統計データがございましたら紹介していきたいと思います♪
ありがとうございました!!
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