備忘録として臨床研究について学んだことを記します
今回は測定の尺度に求められる要件の中で特に重要とされている
信頼性と妥当性について解説します
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信頼性とは?
測定における信頼性(reliability)とは、「偶然に左右されず同様の測定結果を得られているか」ということです。
「ぶれ」と呼ばれるものです。
例えば上肢の筋力を計測する場合を考えましょう。以下の2つの方法のうち、どちらが信頼性が高いと思われるでしょうか?
① 握力計を使って握力を計測する
② 公園で拾った石を投げて距離を計測する
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おそらく、偶然に左右されず同様の測定結果が得られやすい方法は①でしょう。
疲労に考慮して計測すれば、計測ごとの結果のバラつきは数%というところではないでしょうか?
一方の②では、たまたま拾った石の形・大きさ・重さ、石を上手に投げれたかどうか、風が吹いているか、雨が降っているか、などが影響して測定する度に大きなバラつきが生じそうです。
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妥当性とは?
測定における妥当性(validity)とは、「目的としているもの(概念)を測定しているか」ということです。
「ずれ」と呼ばれるものです。
妥当性についても、例として上肢の筋力を計測する場合を考えましょう。以下の2つの方法のうち、どちらが妥当性が高いと思われるでしょうか?
① 握力計を使って握力を計測する
② 体重を計測する
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おそらく、目的としているもの(この例では上肢の筋力)を測定しているのは①でしょう。
上肢の一部である手指を屈曲させてどれだけの力(トルク)が発揮できるかを確認できます。
一方の②では、ある程度、体重が重い方が筋の体積や手指も長い傾向にはあるかもしれませんが、体脂肪が多い、浮腫がある、下肢の筋は太いが上肢の筋は細いという人もいるので、体重が高い精度で筋力を表すとは考えにくいでしょう。
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信頼性と妥当性のイメージ
それでは信頼性と妥当性のイメージを図を使って説明します
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信頼性が高く、妥当性が高い測定のイメージです。
何度実施しても同様の結果が得られていて、かつ、目的としている的の中心を射ています。
このように、信頼性が高く妥当性も高い測定方法が理想的と言えます。
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信頼性が高いものの、妥当性は低い測定のイメージです。
何度実施しても同様の結果が得られているものの、目的としている的の中心からは大きくずれてしまっています。
これでは目的としているもの(概念)を測定しているとは言えません。
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信頼性は低いものの、妥当性が高い測定のイメージです。
実施する度に大きく結果が変わるものの、目的としている的の中心を捉えようとはしています。
これでは、何度目に得られた結果を用いれば良いのかが分かりません。
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信頼性が低く、妥当性も低い測定のイメージです。
実施する度に大きく結果が変わりますし、目的としている的の中心を捉えようともしていません。
このような測定は、そもそも用いるべきではありません。
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最後に
今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います
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ありがとうございました!!
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