備忘録として臨床研究について学んだことを記します
今回は測定において信頼性と妥当性以外の
その他の重要な基準を解説致します
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反応性
「反応性(resposiveness)」とは、ある尺度が治療や時間経過の変化をどれだけ鋭敏に表せるかという性質です。
尺度がどれだけきめ細かく、僅かな差を検出できるかという性質とも言えます。
例えば
● FIM(Functional Independence Measure)とBI(Bathel Index)…ADL自立度の尺度としてはFIMの方が反応性が高い
● Berg Balance Scale(BBS)とStanding test for Imbalance and Disequilibirium(SIDE)…バランス能力の尺度としてはBBSの方が反応性が高い
● ハンドヘルドダイナモメーター(HHD)による筋力評価とManual Muscle Testing(MMT)…筋力の評価としてはHHDによる筋力評価の方が反応性が高い
みたいな感じです。
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量的研究の本質は「AとBとの差を見出すこと」です。
そのため、反応性の高い尺度の方が両者の差を検出しやすくなります。
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標準化されている
評価者が誰であっても同じ状態のものに対して同じ得点となるよう採点のルールが明確になっている状態を「標準化されている」と言います。
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測定可能範囲
それぞれの尺度には、測定に適した対象の範囲というものが存在します。
尺度の測定に適していない対象範囲の例としては
① BBS…プロスポーツ選手10名のバランス能力の優劣を比較しようとしても全員が満点ばかりになって優劣が付けられない
② HHD…筋収縮が僅かに生じる程度の重度片麻痺の人10名の筋出力の程度を比較しようとしても全員が0ニュートンになってしまう
などが挙げられます。
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①のように、対象の測定結果が高得点ばかりに偏ってしまう現象のことを天井効果(ceiling effect)と呼びます。
②のように、対象の測定結果が低得点ばかりに偏ってしまう現象のことを床効果(flooring effect)と呼びます。
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研究対象の測定結果が著しく偏ることなく分布するような尺度を用いることが重要です。
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最後に
今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います
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ありがとうございました!!
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