備忘録として臨床研究について学んだことを記します
今回は臨床研究において統計分析で交絡の調整をする方法を紹介します
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層別分析
要因の有無とアウトカムの発生との関連性を調べようとした際、研究者が調べようとしている要因以外にも、アウトカムの発生に影響を与えうる「重要な予後因子」が存在することがほとんどです。
この重要な予後因子がケース群(=症例群)かコントロール群(=対照群/比較対照群)かの一方に偏って存在する場合は 交絡因子 と呼ばれるようになり、比較の質を落としてしまうことはこれまで繰り返し述べてきました。
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ケース群とコントロール群の比較をする際に、単独でアウトカムの発生に関わる重要な予後因子の影響をなくすために、重要な予後因子が特定の値を取るグループ(=層)に分けることを 層別化 と言います。
例えば
● 研究参加者を年齢で「59歳以下」「60歳代」「70歳代」「80歳以上」に分ける
● 研究参加者を性別で「男性」「女性」に分ける
これらも層別化の一種です。
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層別化すると、各層の中では重要な予後因子が偏って存在することはなくなるので、交絡因子の必要条件である「重要な予後因子がケース群とコントロール群とで分布が著しく異なる」という条件を満たさなくなります。
つまり、交絡因子の発生を予防できるわけです。
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このように研究参加者を重要な予後因子で層別化した上で、研究者自身が調べたい要因の有無とアウトカムの発生との関係性を分析する手法を 層別分析 と呼びます。
ちなみに層別化分析のように重要な予後因子による影響を調べたい要因とアウトカムとの関係から切り離すことを 交絡の調整 と呼びます
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回帰分析
交絡の調整をするもう一つの代表的な統計分析の方法に 回帰分析 があります。
回帰分析 とは、研究者が調べたい要因・それ以外の重要な予後因子とアウトカムとの関係が、回帰モデル と呼ばれる数式に従うと仮定して、交絡を調整して効果の指標を推定する方法です。
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回帰モデルにはいくつかの種類があります。
アウトカム変数の型、アウトカム変数の分布の仕方、推定する効果の指標の型によって、用いる回帰モデルを選択します。
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回帰分析の優れた点は、 調整したい交絡がいくつもある場合でも調べたい要因とアウトカムとの関係性を容易に分析することができる 点です。
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層別分析の場合は、調整したい交絡が2つの値を取るものばかりだとしても、それが1つ増えるたびに層を2倍に増やさなければなりません。
つまり、2つの値を取る調整したい交絡が
● 3種類あると → 2×2×2=層が8コ
● 4種類あると → 2×2×2×2=層が16コ
● 5種類あると → 2×2×2×2×2=層が32コ
このように層別分析では調整したい交絡が増えると、層が指数関数的に増えてしまうので分析が非常に困難になってしまいます。
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調整したい交絡が増えそうな場合は回帰分析を用いることをおススメします
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最後に
今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います
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ありがとうございました!!
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