備忘録として臨床研究について学んだことを記します
今回は点推定・点推定値と区間推定という統計用語について解説致します
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点推定・点推定値とは?
臨床研究では、自身の研究テーマの結果を当てはめたい集団(=標的母集団)の全てのデータを集めることは困難です。
そのため、多くの場合は特定のサンプルを用いて(=実際の研究で分析する人数は減らして)、標的母集団でも同じ結論が得られそうか「統計的に推定する」ことになります。
このことは以前投稿した
”【PECO/PICOの構成要素】これがPの設定の仕方だ!!”
でも触れています
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臨床研究において
● どの程度治療の効果があるのか?
● どの程度予防の効果があるのか?
● 要因への曝露の有無によってアウトカムの発生はどの程度差が出るのか?
これらを推定する際には、自身がサンプルを用いて実際に得たデータから導いた効果の大きさ(発生率比、発生率差、リスク比、リスク差など)を元に、標的母集団における効果の大きさ、即ち「真の効果の大きさ」を推定することになります。
真の効果の大きさを推定することを「点推定(point estimation)」と言います。
そして、推定した真の効果の大きさを単一の値で表す場合に、この値を「点推定値(point estimate)」または「効果量(effect size)」と言います。
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区間推定とは?
先に述べた「点推定値(point estimate)」はあくまでも真の効果の大きさを推定したものです。
推定の精度が高いのか?あるいは低いのか?までは「点推定値」だけでは表せません。
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そこで、「点推定値」(=真の効果の大きさの推定値)を求めた推定の精度が高いか低いかを定量的に表したものが「区間推定(interval estimate)」です。
「区間推定」は「信頼区間(confidence interval)」とも呼ばれます。
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区間推定の解釈は
● 区間推定の幅が広い = 点推定値の推定の精度が低い
● 区間推定の幅が狭い = 点推定値の推定の精度が高い
というように解釈されます。
「95%信頼区間」など信頼区間の方が聞き馴染みのある方も多いかもしれませんね♪
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点推定値と区間推定のイメージ
点推定値と区間推定のイメージは下図をご覧下さい
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点推定値がいくら高くとも、その推定の精度が低く区間推定が効果の差が0の範囲に及んでいる場合は、統計上「有意差なし」と判定されます。
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最後に
今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います
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ありがとうございました!!
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