【サンプルサイズ設計の必要項目】③ 検出すべき差

臨床研究への道程

備忘録として臨床研究について学んだことを記します

今回は臨床研究におけるサンプルサイズ設計の必要項目の1つの「検出すべき差」についての記事です

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【復習】サンプルとは何か?サンプルサイズとは何か?

それぞれの用語は臨床研究において以下のように定義されます。

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サンプル(sumple):臨床研究の対象となる集団のこと

サンプルサイズ(sumple size):ある臨床研究における参加者の数、「n数」という用語も同様の意味で用いられる

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これから始まる「サンプルサイズ設計編」の最も基礎的な知識なので是非覚えて下さい♪

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検出すべき差

主要評価項目(主要なアウトカム指数)を決めたら、続いて研究者が「検出すべき差」の大きさを見積もります。

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例えば、

歩行トレーニングの効果を検証する

2つのグループのうち一方に従来的・標準的なトレーニングを実施し、もう一方には新しい・試験的なトレーニングを実施する

どちらのトレーニングがより効果的かを調べる

主要評価項目は10m歩行時間(10MWT)とする

このような研究を行ったとしましょう。

「検出すべき差」の大きさを見積もるということは、2つのグループの間に「どのくらいの差があれば臨床的に意味があるのか?」という、その最小の差を予め決めるということです。

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統計解析を行う際、サンプルサイズが100万人とか2億人とか大きくなるほど、グループ間の主要評価項目の差がわずかなものでも統計学的に有意差があるという結果が得られやすくなります。

サンプルサイズが3兆人で新しい・試験的なトレーニングの方が10MWTが0.1秒だけ有意に短縮したとします。

果たしてこのような僅かな差が臨床的に重要でしょうか?

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一方、サンプルサイズが小さすぎると2つのグループの間に大きな差があっても、統計学的に有意という結果にならないこともあります。

これも同様に問題です。

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臨床研究においてデータを収集する前段階で、主要な評価項目(主要なアウトカム指数)の臨床的に意味のある最小の差を見積もり、その差を検出するのに適切なサンプルサイズを設計することが重要です。

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サンプルサイズは大きすぎても小さすぎても駄目ということですね♪

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最後に

今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います

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ありがとうございました!!

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